ダムしゅんせつ工事

ダムには雨と一緒に周囲の山々から土砂が流れ込んでくるため、時間経過とともに湖底に土砂が堆積していきます。そうなると、ダムは堆砂により本来の治水機能を発揮しにくくなるのが問題です。そのような時に必要になるのがダムしゅんせつ工事です。

ダムの堆砂問題

もちろん、ダムは計画堆砂量が計算された上で造成されています。しかし、近年、局地的豪雨が急増したことなどにより、計画堆砂量をオーバーしているダムが増えているのも事実です。当然、計画堆砂量を越えてしまうと、さまざまな問題が起きてきます。貯水量が減少してしまうだけではなく、河川の環境に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。また、計画堆砂量に到達していなくても、洪水調節容量内に入り込んでくると、洪水時に本来ならば貯水できたはずの水量を貯められなくなるなど、水害を大きくしてしまう可能性もあります。そこで、ダムしゅんせつ工事が必要となるのです。

ダムしゅんせつ工事の問題点

ダムしゅんせつ工事には、港湾、河川などにはない独特の難しさがあります。

大型機械搬入が困難

ダムは一般的に山間部にあります。そのため、大型建設機械の搬入や広い作業ヤードを確保することが困難です。

堆積物の多様性

ダムには粘土、砂礫、塵芥などさまざまな土砂が地層のようになって堆積しています。そのため、多種多様な堆積物に柔軟に対応できるしゅんせつ工事が必要です。

ダムしゅんせつ工事の工程

以上のような問題点をふまえ、ダムしゅんせつ工事はたとえば次のような工程で行われます。

機材搬入

山間部でも輸送できるように小さく解体された資機材を搬入し、工事現場で組み立てを行い、作業ヤードを造成します。

しゅんせつ

ダムのしゅんせつには、たとえばクラムシェル台船が利用されます。クラムシェルとは、二枚貝のように開閉しながら土砂をつかんで掘削するバゲットを、ワイヤーロープで吊り下げて使用する建設機械の一種です。

空気圧送

ダムの底から除去した土砂を脱水処理を行う機械まで空気圧送します。

土砂の脱水

ダムの底に堆積していた土砂を脱水して、埋立などに再利用できるようにします。PFP工法と呼ばれる高圧機械脱水処理などが行われます。

ダンプ運搬

脱水が完了した土砂を、埋立や宅地造成などをしているところまでダンプ運搬します。

水陸両用ブルドーザーによるダムしゅんせつ工事

ダムしゅんせつ工事は水陸両用ブルドーザーによって行われることもあります。

水陸両用ブルドーザーを利用するメリット

水陸両用ブルドーザーならば、台船による作業ヤードを作ることが困難なダムでもしゅんせつを行うことができます。ブルドーザーが直接ダムの中に侵入できるという機動力に優れている点は大きなメリットといえるでしょう。

水陸両用ブルドーザーの特徴

水陸両用ブルドーザーは無線遠隔操縦によって運用されます。そのため、ダムしゅんせつ工事はもちろんのこと、人が立ち入ることのできない現場の作業に役立つことが特徴です。東日本大震災における災害復旧工事でも被災地各所で稼働しました。

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