鉄塔工事

鉄塔工事とは鉄塔を建設する鋼構造物工事のことです。鉄骨を組み合わせて作る鉄塔にはさまざまなタイプがあります。形状によって四角鉄塔、矩形(くけい)鉄塔、烏帽子形鉄塔、門型鉄塔、環境調和型鉄塔などに分類されます。また、鉄塔を支える部分の形式により、自立式鉄塔、支線式鉄塔、ルーフタワー、パンザマスト、クランクアップタワーなどがあります。

鉄塔の形状による分類

形状による鉄塔の分類は次の通りです。

四角鉄塔

鉄骨の外形が四角すいの形状になっているものです。鉄塔の形状として最も広く使われています。

矩形鉄塔

鉄骨の外形が上から見た時に長方形になっているものです。引っ張られる方向により強度が強い部分と弱い部分があることが特徴です。

烏帽子形鉄塔

積雪の多い場所などに設置される、下部ほど鉄骨が広がっているタイプの鉄塔です。送電線などに用いられます。

環境調和型鉄塔

まわりの景観に配慮しながら建設される鉄塔です。鉄管など様々な鋼材が使用されていることが特徴です。美化鉄塔と呼ばれることもあります。

鉄塔の支部形式による分類

鉄塔の支え方のことを支部形式といいます。支部形式には以下のような様々なタイプがあります。

自立式鉄塔

鉄塔本体だけで自立している鉄塔を自立式鉄塔といいます。

支線式鉄塔

支線によって支えられている鉄塔を支線式鉄塔といいます。自立式と比較して支線を張るための土地が必要となりますが、自立式より材料は少なくてすみます。

ルーフタワー

建物の屋上などに設置される、屋根を使って支えるタイプの鉄塔です。

パンザマスト

何本かの鉄管をつなぎ合わせて柱状にして支える鉄塔です。いくつかのパーツに分解しやすいので、山間部など大きな鉄骨を搬入しにくい場所、設置と撤去を繰り返す時などに使用されます。

クランクアップタワー

数本の骨組みを筒型に組んで入れ子状に重ね合わせ、ワイヤーなどを加えて伸縮可能にしている鉄塔です。強風時などに短くして鉄塔の揺れを防ぐことができます。

鉄塔工事の工程

以上のように鉄塔には様々なタイプがあります。いずれにせよ、鉄塔工事はおおよそ次のような工程で行われます。

調査と設計

鉄塔を建てる場所の事前調査を行います。地表の高低と起伏、地層の性質と状態、気象条件などについて調べます。その土地にふさわしい鉄塔を、完成後にできるだけ保守点検のしやすさ、工事費用などを加味しながら設計します。

仮設工事

鉄塔工事は山間部などで行われることも少なくありません。まず、資材や機材を工事現場に運ぶための通路を作り、工事用地を整備するなどして工事を開始するための仮設工事を行います。道路を作れない場合は、索道というロープウェイ状の運搬システムを作ることもあります。さらに、索道の設置も不可能な場合はヘリコプターによる資機材運搬が行われますが、この場合は重量が制限されます。

基礎工事

鉄塔の脚を支える基礎を作ります。台風や地震で鉄塔が倒壊することのないように強固な基礎を作らなければいけません。傾斜が急な場所に大型の鉄塔を建てる場合、基礎の杭の長さが数十メートルになることも少なくありません。まず、掘削機と手掘りを併用しながら掘削を行います。十分な深さの穴を掘ったら、基礎と鉄塔部材を連結するいかり材を底面に添え付け、次に鉄筋を配置します。その後、型枠を設置してコンクリートを打設します。コンクリートが固まったら、掘削した穴を埋め戻して締固め、整地をすれば基礎の完成です。

組立工事

クレーンで鉄骨部材を吊り上げながら、鉄塔を組み立てていきます。鉄塔工事の現場まで自動車が入れる時は移動式クレーンが使われます。また、移動式クレーンが入れない場所ではクライミングクレーンを使用します。クライミングクレーンは鉄塔内部に設置され、鉄塔が組み上がっていくのと同時に上へ移動していくというものです。クレーンで吊り上げられた部材は人の手でボルトとナットで取り付けられます。

架線工事

送電鉄塔の場合、一定区間ごとに電線を張っていきます。3~5kmほどを1区間として細いロープ、太いワイヤーロープ、電線と順番に引き換えて行きます。最後に鉄塔と電線を絶縁する、がいしと呼ばれるパーツの取り付けも行います。このようにして鉄塔が完成した後も、古くなった部品を交換するなど保守点検を怠らないようにしなければいけません。また、いずれは鉄塔の建て替え工事なども必要になります。

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