左官仕上げのメリットとデメリット

左官の歴史は、5000年以上前から用いられていました。建物の外壁などは、工期が短く費用も安価なサイディング工事が主流になりつつはあるのですが、どうしてもデザインが単調になってしまいます。それと比べて模様のパターンが豊富でデザイン性の高い左官仕上げは、まだまだ好む人がたくさんいらっしゃいます。

以下では、左官のメリットとデメリットを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

左官のメリット

左官で作った壁は「健康壁」と呼ばれることがあります。これは、左官壁に湿気を防いでダニやカビを予防する効果、温度調節を自然に行ってくれる効果、防臭効果などがあるからです。つまり、快適な空気を壁が自然に調節してくれるということから「健康壁」と呼ばれるようになりました。

また、自然素材を使った左官壁は、化学物質の含有量が少なく、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着して分解する作用もあり、シックハウス症候群になりにくいというメリットがあります。

一方、壁の耐火性、耐久性にも信頼が置けます。特にモルタルは、不燃素材ですので、耐火性能が極めて高い素材です。

左官のデメリット

左官工事では、基本的に下塗り、中塗り、上塗りの塗壁を3回行います。それぞれの工程の間に養生を張って乾かす必要があるため、工期は必然的に長くなってしまいがちです。無理して工期を早めると、色ムラが出たり、壁に亀裂や剥離が生じる原因になるため、必ず丁寧にやらなければなりません。また、左官壁の表面は傷がつきやすく、ひっかくと削れやすいです。

湿式工法仕上げと乾式工法仕上げ

湿式工法仕上げと乾式工法仕上げについて、それぞれ説明します。

湿式工法仕上げとは?

左官は、水分とモルタル、土壁などの素材を調合して、練り上げたものを使います。これを湿式工法仕上げといい、通気性透過性にすぐれているのが特徴です。

乾式工法仕上げとは?

サイディングボードを使った工事が乾式工法です。防水耐性が高いのが特徴ですが、左官工法と比べて通気性や透過性は低くなります。

左官工事の流れ

左官工事の流れを説明します。

下地処理

上塗りをしっかり馴染ませるためには下地処理が欠かせません。土壁や漆喰を上塗りに使う場合、小舞という竹で組んだものに下地塗りをしていきます。下地塗りに塗る材料は粘性の一番高いものを選び、中塗り、上塗りと重ねていくにしたがい、粘性を低くすることで亀裂や剥離が発生しにくくなります。

一方、モルタルの場合は、下地にラスカットと言われる耐力面材が使用されます。ラスカットの表面には凹凸があり、そこに下塗りのモルタルを直接塗ることができます。その上にステンレスメッシやファイバーグラスメッシを置きます。メッシとはいわゆる網戸の金網のようなもので、この上から上塗り用のモルタルを塗ることで、モルタルのひび割れを防ぐことができます。

塗壁と養生

下地塗りをした壁に養生を張って乾かす工程です。下塗り、養生、中塗り、養生、上塗り、養生の流れです。乾くまで時間が掛かるため、左官工事の工期は長めにスケジュールが組まれます。

工事完成

仕上げ塗りが乾くと養生を撤去して完成です。周囲に飛び散った塗料や建材を清掃しながら、元の環境に戻していきます。最後に仕上がりを点検して、工事完了となります。

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