型枠工事とは?

鉄筋コンクリートの建物の、コンクリートを流し込んで基礎土台を造ったり、建物の躯体形状を造る時に行う工事を、型枠工事といいます。型枠大工は、鉄筋の骨組みとベニヤ板を設置していくのが仕事となっています。鉄筋コンクリートの建物の多くは、この型枠工事で成型されたものです。建物における非常に重要な工程になりますので、型枠においては、工事の質を落とさないため機械化が行われず、型枠大工が人の手で設置を行っているのが現状となっています。

型枠の工法

型枠工事にはいくつかの種類があります。ここでは、主な3種類の工法を説明します。

合板型型枠工法

日本における型枠工事のほとんどが、合板型型枠工法を採用しています。木製のベニヤ板で器を作る工法のことで、コストパフォーマンスに優れているのが特徴です。また重量が鋼板型枠と比べて軽く、作業効率がいいのも、合板型型枠工法が選ばれる理由となっています。

鋼製型枠工法

強度の高い鋼板を用いた型枠工法です。建物のデザインによって、通常の型枠では内側からの圧力に耐えられない場合や、躯体型枠工事の時に使用されることが多い工法となっています。耐久性が高く再利用できるのですが、重量が重く工事のコストもかかるのが難点です。

化粧型枠工法

金型で模様が付けられた鋼板枠を用いて、コンクリート自体に模様をつける時に用いる型枠工法になります。鋼板より重量の軽い、硬質ポリウレタンフォームを使う場合もあります。

基礎工事のための型枠

建物の土台部分を造る工事で、鉄筋の通ったコンクリートで固めて基礎部分を作るための工事が基礎工事です。この基礎工事は、ビルのような鉄筋コンクリートの建物だけではなく、住宅建築の基礎工事でも型枠の設置が必要とされています。

躯体工事のための型枠

建物の躯体(形状)を造るために型枠工事が必要となります。躯体とは、いわゆる建物の骨組みのことで、木造建築で言う柱や梁を形成する部分になります。コンクリートの建物の場合、建物の躯体部分に、木材の代わりに鉄筋を通してコンクリートを打設します。この際に型枠工事で、コンクリートを流し込む器を作る必要があります。

型枠工事の流れ

ここでは、型枠工事の流れを説明しています。加工図の作成から、次の工程を受け持つ施工業者への引き渡しまで、その間にいくつかの工程があります。

型枠の加工図を作成

この工程では、建物の設計図から寸法をひろい出して、型枠の設計図にしていきます。

型枠パネルの加工

型枠に使うパネルや柱型などのパーツを加工する工程です。ベニヤの場合、加工場で製作してから現場に搬入します。

スミ出し

型枠の図面に合わせて現場で、ポイントごとに印をつけていく工程を、スミ出しといいます。スミ出し器(測定器)を用いて、水平になっているか?または垂直になっているか?を測定していきます。

建て込み

型枠のパーツを組み立てて、コンクリートを流し込む器を造っていく工程です。コンクリートを入れた時には、外向きに圧力が掛かりますので、しっかりと銅管を使って留めていきます。この工程を正確に行わないと、建物の躯体に影響が出るためかなり重要な工程だといえます。

コンクリート打設

各所不具合が無いか点検をしながら、型枠にコンクリートを流し込んでいきます。ここまでが終わると、コンクリートが固まるのを待ちます。コンクリートを打設するとやり直しがききませんので、建て込みの段階で入念な点検を行っておく必要があります。

型枠解体作工事

コンクリートが固まったら、次は型枠を取り外していく作業です。高さのあるところでの作業になることもあり、作業員や資材が落下しないよう、安全を確保した上で、型枠の取り外しを行っていきます。

引き渡し

ここまでが型枠大工の仕事となり、点検が終われば、次の工程の施工業者にバトンタッチをすることになります。

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