配筋作業の流れ

建設現場で実際に鉄筋を組み立てていく作業を「配筋(はいきん)」と呼びます。配筋作業は、端から順番に行っていけばいいというものではありません。支える柱がないと天井が作れないように、だいたいの作業順序が決まっています。

ここでは一般的な住宅やビルを例にとって、配筋作業を行う順序をご紹介します。ただし、建物の構造によっては順序が変わる場合もあります。

STEP 1:基礎配筋

どんな建築物であっても、まずは建物の土台となる基礎作りから始まります。その準備として行うのが、「捨てコンクリート」です。

地固めの済んだ地面を掘ってコンクリートを流し込むのですが、これが建物の床になるわけではありません。地面の表面を水平にするためにコンクリートを流し、その表面を基準に鉄筋を組んでいくのです。

あくまで基準線として使うもので、建物の構造としては不必要なので、捨てコンクリート、通称「捨てコン」と呼ばれています。

捨てコンが固まったら、そこに配筋工事の目安となる線を書いていきます。これを「墨出し(すみだし)」といいます。墨出しの線がすべての配筋の基準となるため、正確な測量をしながら行います。

配筋のかぶり

墨出しを終えると、いよいよ配筋作業に入ります。配筋は基礎の底面に当たる部分から行います。

鉄筋がコンクリートから少しでも顔を出してしまうと、そこから錆びて強度が下がってしまいます。鉄筋の周囲がすべてコンクリートで覆われるよう、底面の鉄筋も地面から少し浮かせた状態で配筋しなければいけません。

その時に使われるのが「コンクリートスペーサー」、通称「サイコロ」と呼ばれる四角いコンクリートの塊です。これを捨てコンに置いて、その上を鉄筋が通るよう配筋します。

このサイコロの高さが、鉄筋の周囲を覆うコンクリートの厚み、いわゆる「かぶり」となります。

鉄筋の結束

鉄筋と鉄筋が交差する部分は、「結束線」と呼ばれる細い針金で結んで固定します。結束をしておかないと、コンクリートを流し込んだ時に鉄筋がずれてしまうことがあるからです。

固定のしかたも鉄筋工事独特で、結束線で輪を作って絞るように締め上げます。この方法だと、素早く確実に固定することができます。

べた基礎

基礎配筋工事には大きく分けて、べた基礎と布基礎の2種類があります。

べた基礎とは、建物の底となる部分のすべてを鉄筋コンクリートで覆ってしまう工法です。建物全体が鉄筋コンクリート造の場合、基礎工事のほぼ100%がべた基礎です。

べた基礎の利点は、基礎の面積が広いので建物の重さを分散して受け止められること。万が一、建物の建っている地盤の一部が緩んだ場合でも、すぐに建物に影響が出ることはありません。そのため建築基準法でも、地盤が弱い場所ではべた基礎を用いるよう、定められています。

最近では木造住宅でも、基礎工事のみ鉄筋コンクリートで行う場合がほとんどです。その際にべた基礎にしておくと、地面からの湿気が上がってこない、床下からのシロアリの侵入を防げるといった利点があります。

布基礎(ぬのきそ)

布基礎とは、建物の底部全体をコンクリートで覆うのではなく、柱の下など一部だけを鉄筋コンクリートにする工法です。木造住宅や軽量鉄骨プレハブ住宅などで使われています。

昔の木造建築では、柱の下に石を置いて支えとしました。その石の代わりを鉄筋コンクリートが請け負っていると考えると、分かりやすいかもしれません。

布基礎はべた基礎に比べると、より深くまでコンクリートを埋め込むことで、上から荷重に耐えるようになっています。柱部分に加重が集中しやすい木造住宅には、向いている工法ともいえます。またコスト面から見ても、べた基礎より安価で仕上げることができます。

STEP 2:基礎柱配筋

建物の底となる部分の配筋が終わったら、次に基礎柱の配筋を行います。基礎から最上階まで通じる柱の、足下となる部分です。

柱の配筋では、大きく分けて2種類の鉄筋が使われます。ひとつは垂直方向に伸びる「主筋(しゅきん)」と呼ばれる太い鉄筋です。

柱の主筋は最少でも4本あり、四角い柱なら四角形に、丸柱なら円を描くように配置されます。高層ビルになると柱も太くなるため、数え切れないほど大量の鉄筋を使います。

もうひとつは、主筋に巻き付くように配置される「帯筋(おびきん)」です。英語で「フープ」「バンド」と呼ばれる場合もあります。

帯筋が主筋をがっちり取り巻いて締め付けることで、柱は縦方向にも横方向にも強い構造になります。

STEP 3:基礎梁配筋

基礎柱の配筋が終わったら、今度は柱と柱を結ぶ「梁配筋(はりはいきん)」を行います。梁の配筋も柱と同じように、基本的には2種類の鉄筋を使います。

梁の伸びている方向、つまり地面と平行になっている太い鉄筋が「主筋」です。これも柱と同じく最少でも4本の鉄筋を使います。梁が太くなれば、主筋の本数も多くなります。

主筋に巻き付ける鉄筋を「あばら筋」といい、柱でいう帯筋と同じ役割を持っています。英語で「スターラップ」と呼ばれることもあります。

あばら筋に使われる鉄筋は、それほど太くありません。そのため太い梁を形作ろうとすると、加重によってあばら筋がゆがんでしまうことがあります。そんな事態を避けるために、あばら筋で囲まれた内側に「腹筋(はらきん)」を入れることがあります。

腹筋は、窓枠でいう桟のようなものと考えると、分かりやすいのではないでしょうか。腹筋にはあばら筋よりもさらに細い鉄筋が使われますが、そんな細さでも建物の強度を保つ重要な役割を負っています。

STEP 4:基礎スラブ配筋

最下階の床面となるスラブ配筋を行います。スラブとは建築用語で、床面を指す言葉です。

スラブの多くは四方を梁に囲まれていますが、場合によっては三辺だけしか梁がない、梁は両端の二辺のみといった構造になっていることもあります。

基礎工事では見られませんが、通常階ではひさしのようにスラブが張り出していることもあります。そういった一方向にしか梁がないスラブを「片持ち(キャンテ)スラブ」と呼びます。

スラブ配筋が終了すると、配筋作業はいったん休止になります。鉄筋の周囲に型枠を設置して、コンクリートを流し込みます。ここまでが鉄筋コンクリートの基礎工事です。

STEP 5:一般階配筋

基礎工事が完成すると、改めてその上に乗る建物の構造を作っていきます。基本的な手順は、基礎工事とあまり変わりません。

まず下階から上階へと続く立ち上がりの柱配筋を行います。その後、外壁や内部の仕切りとなる壁を配筋。ここでいったん配筋作業を中断し、柱と壁へのコンクリートの流し込みを行います。

さらに、柱と柱を結ぶ梁配筋を行い、最後に下階の天井と上階の床を兼ねるスラブの配筋をします。そこでまたコンクリートの流し込みが行われます。

この一連の作業を繰り返すことで、何階層にも及ぶ鉄筋コンクリートの建物が造られていきます。場合によっては、数階分の配筋をすべて行ってから、一挙にコンクリートを流し込むこともあります。

一般階壁配筋

壁配筋は柱や梁と違い、メインとなる主筋はありません。地面に対して垂直な「縦筋(たてきん)」と、地面と平行に伸びる「横筋(よこきん)」は、どちらも同じ太さの鉄筋を使います。

基本は、縦筋と横筋で平面を作るよう、一重に配置します。壁の構造を厚くしたい場合は、配筋を二重にすることもあります。これを「ダブル配筋」といいます。

さらにダブル配筋で、縦筋と横筋の位置が互い違いになるようずらした「千鳥配筋(ちどりはいきん)」という工法もあります。千鳥配筋にすると壁の強度が増し、地震などで不規則な力がかかった場合も崩れにくくなります。

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