鉄筋継手とは

鉄筋継手とは、2本の鉄筋を繋ぎ合わせて1本にする工法です。繋いだ部分や、繋ぐために使われるげるパーツを「継手(つぎて)」と呼びます。継手をする作業は「嵌合(かんごう)」と呼ばれます。

でもなぜ継手が必要になるのでしょうか。その理由は、メーカーから出荷される鉄筋の長さにあります。

メーカーで製造される鉄筋は、基本的に12メートル以下となっています。これは輸送手段や、建築現場での扱いやすさを考えてのことです。

しかし実際に鉄筋コンクリートで造られる建物は、一辺が12メートル以上になることも珍しくありません。そんな建物の強度を保つためには、内部の鉄筋が繋がっている必要があります。

そのため鉄筋を建築現場に運びこんでから、複数の鉄筋を繋げる作業を行うのです。

継手の種類

鉄筋継手には大きく分けて、重ね継手、ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手の4種類があります。溶接継手と機械式継手は、さらに何種類かの工法に分かれています。

継手にはそれぞれ特徴があり、用途も違っています。同じ建物内部でも、場所によって継手の種類を変えることもあります。

ただしどんな継手であっても、求められる性能は同じです。何があっても外れたりすることのないよう、しっかりつながっていなければなりません。もし継手が外れてしまったら、建物の強度が格段に下がってしまいます。

ではここで、それぞれの継手の特徴をご紹介しましょう。

重ね継手

鉄筋を並べて配置して、コンクリートを流し込むことで一体化させる工法です。鉄筋継手の中では一番古い方法で、鉄筋コンクリート建築が始まった1900年頃から行われてきました。

重ね継手では、どのくらいの長さを重ねて配置すればいいのかがポイントです。強度を保つためには、太い鉄筋になるほど重ね部分を長くしなければいけません。

とはいえ重ね継手は、周囲をコンクリートで固められているだけで、鉄筋同士が繋がっているわけではありません。そのため、もし周囲のコンクリートが割れたりひびが入ったりすると、とたんに強度が下がってしまいます。

現在では、日本建築学会が発表している鉄筋コンクリート工事の標準仕様書で、原則として直径35ミリメートル未満の鉄筋にしか使わないように定められています。

ガス圧接継手

鉄筋の端と端とを密着させ、ガスの火で炙って加熱し、柔らかくなった鉄筋に強い力をかけて圧着させる工法です。ガス圧接の継手部分は、鉄筋が大きく丸く膨らんだ状態となります。

ガス圧接は1940年頃にアメリカで開発された方法ですが、アメリカ国内での鉄筋工事では使われていませんでした。それを日本が取り入れ、重ね継手に代わる方法として独自に発展させたのです。

日本でのガス圧接の第1号は、1952年の国鉄山の手線高架線工事でした。その後、多くの工事現場で使われるようになり高度成長期を支えましたが、溶接継手や機械式継手の登場で使われる頻度が減ってしまいました。

ガス圧接には、大きく分けて手動と自動の2種類があります。鉄筋の加熱に使うガスの種類によって、さらに細かく分類されます。

いずれのガス圧接作業も、行なうには日本圧接協会が認定している「ガス圧接技量資格」が必要です。現在では、ガス圧接工事の約90%が手動で行われています。

溶接継手

溶接継手は、鉄筋の接合したい部分を熱で溶かして、繋ぎ合わせる工法です。鉄筋を加熱する方法や繋ぎかたによって、さまざまな種類があります。

代表的な溶接継手のひとつが「フレア溶接」です。フレア溶接は、重ね継手で重ね合わせる長さを十分に取れない時に使われます。鉄筋の表面を溶かし、並べた鉄筋同士を接合する方法です。

もうひとつ代表的といえるのが「エンクローズ溶接」で、日本語で「突き合わせ溶接」とも呼ばれています。エンクローズ溶接は、鉄筋の端と端とを密着させた状態で、鉄を溶かして接合します。鉄筋同士がくっついている部分は、断面のみとなります。

鉄筋を加熱する手段としては、アーク溶接、テルミット溶接、アモルファス溶接、フラッシュ溶接、アプセット溶接などがあります。一部の溶接では、作業するための資格が必要になります。

溶接継手とガス圧接継手の違い

エンクローズ溶接の説明を聞くと、「ガス圧接とどう違うの?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。どちらも加熱して接合することに代わりはなく、広い意味ではガス圧接も溶接に含まれます。

ガス圧接では、鉄が溶けるほどの温度にはなりません。そのため圧力をかけて接合面が混ざり合うようにします。

溶接はガス圧接よりも高温にすることで、鉄を溶かして接合します。溶接された面積が小さくても、強い接合力を得られるのです。

以前は、鉄を溶かすほどのエネルギーを建築現場に持ち込むことが技術的に難しかったため、ガス圧接が用いられました。技術の進歩によって、溶接継手が可能になったのです。

しかし近年の二酸化炭素排出量の問題で、建設に使うエネルギーを削減しようという動きが出てきました。その結果、ガス圧接継手が見直されています。

機械式継手

機械式継手とは、鉄筋同士を直接くっつけるのではなく、「スリーブ」と呼ばれる筒状のジョイントパーツを使って接合する工法です。1970年代に、建築作業の合理化を目指して開発されました。

鉄筋には、断面が円形の「丸鋼(まるこう)」と、表面にでこぼこの模様をつけた「異形鉄筋(いけいてっきん)」があります。スリーブの取り付けには異形鉄筋の表面の凹凸を利用します。そのため、表面に凹凸のない丸鋼では、この方法は使えません

機械式継手は、スリーブの形状によってさまさまな種類があります。

ねじ節鉄筋継手

表面にねじ山が刻まれた異形鉄筋を、ねじ加工されたスリーブにねじ込んで接合します。ねじ部分が緩んで外れたりしないよう、仕上げとして隙間にモルタルを注入して固定します。

モルタル充填継手

内側にでこぼこの突起が作られたスリーブに、異形鉄鋼を押し込みます。さらに隙間を高強度モルタルで固めて接合します。

端部ねじ加工継手

鉄筋の端に取り付けたねじパーツを噛み合わせ、ナットで固する工法です。鉄筋にねじパーツを取り付けるには、ねじパーツを高速で回転させて摩擦熱で圧接する方法などをとります。

鋼管圧着継手

スリープに異形鉄筋を差し込んだ後、油圧で強い力をかけることでスリーブを押しつぶし、鉄筋に食い込ませて接合する方法です。継手部の温度を上げずに、圧着することができます。

併用継手

近年開発された工法で、片側がねじ継手で反対側がモルタル充填継手といったように、違う種類の継手を組み合わせたものです。すでに固定されている鉄筋に、別の鉄筋を繋ぎ合わせることが容易にできるので、手間や時間の節約になります。

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