治山工事

治山工事とは、森林を作る前段階として山腹の環境を整える土木工事のことです。森林資源を守り、水害を防止するためにも欠かせない重要な土木工事といえるでしょう。長期的な視野に立って森林を形成しつつ、下流への過剰な土砂流出を抑制するための知識と技術が問われます。

治山工事の種類

治山工事は大きくわけて山腹工、渓流工、地すべり防止工などがあります。それぞれ具体的には次のようなものになります。

山腹工

山腹工とは山腹を補強する土木工事のことです。具体的には次のようなものがあります。

工法内容
法切工不安定な斜面を切りならす。植物の生育環境として適した斜面を造成する。
土留工斜面を固定するために土砂をおさえる。
水路工・暗渠工地下水や湧き水を排水して侵食を防止する。
緑化工植栽をして斜面を緑化する。

渓流工

渓流工には治山ダムの造成や護岸工があります。

工法内容
治山ダム渓流の勾配をゆるやかにしたり、渓床を安定させるためにダムを作る。これにより、渓流の侵食を防止する。
護岸工渓岸の崩壊や侵食を防止し保護するための土木工事を行う。

地すべり防止工

地すべり防止工には杭打工、排土工、排水工などがあります。

工法内容
杭打工土塊の移動を防止するために、直接杭を打ち込む。
排土工地すべりの動きを軽減するために、土塊を除去する。
排水口地すべりの発生原因となる地下水を排水する。

治山工事の二大ポイント

以上のように治山工事にはさまざまな種類がありますが、いずれも「森林保護と管理」「土砂崩壊の防災」を二大目的としています。技術革新に伴い治山工事も進化し続けていますが、いまだ、土砂崩壊の場所、時期、規模を正しく予想するのは難しいなど課題も残されています。

森林保護と管理

南北に長い日本列島は森林と一口にいっても多種多様な形態があります。土壌、基岩も多岐にわたり、日本の森林保護と管理には深い知識が必要です。自然環境保護と同時に里山の人の暮らしの利便性の両立を図ることも大事なポイントとなります。

土砂崩壊の防災

すべての山の荒廃は、土砂崩壊、土石流によって始まります。いつどこで土砂崩壊が起きるかを予測することは、いまだに非常に難しい状態です。また、一度、土砂崩壊が起きた時、自然復旧が可能な部分、手を入れなくてはいけない部分を調査する技術も必要です。土砂崩壊を防ぐ人工物の設置も重要ですが、自然環境との調和も視野に入れなくてはいけません。

治山工事の課題

森林は単に木材を供給するだけではなく、国土を保全し、水源を豊かに養う、国民の生活になくてはならないものです。治山工事では荒廃森林の整備とともに、近年の異常気象で増えている集中豪雨などで被災した森林の再生を行う必要が生じるでしょう。実際、集落、農地を災害から守る防災林の造成も増加傾向にあり、この傾向は今後も続くと予想されます。

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