さく井工事の流れ

実際に井戸を掘っている現場を、目にしたことはあるでしょうか? さく井工事は、穴を掘ってそれで終わりではありません。

さく井工事で一番大切なのは、きちんと水が出てくること。さらに、掘った穴が崩れてこないようにすること、井戸の中に汚れが混じらないようにすることも大切です。

これらの条件を備えた井戸を作るためには、どんな手順で掘っていけばいいのでしょうか。さく井工事の作業工程を、ここで詳しくご紹介しましょう。

STEP 1:井戸仕様決定

まず井戸を作りたい場所の周囲で、地層や地下水の調査を行います。地下水がたまっている「帯水層」の位置を特定するだけでなく、そこに至るまでの地層がどうなっているのかも調べなければなりません。

地層のデータがそろったら、その結果によって、井戸の口径や必要な深度、さく井作業の工法などが決まります。井戸の仕様が決定したら、井戸の設計図を作ります。すべてのさく井作業は、この設計図に従って行われます。

STEP 2:機材仮設

さく井作業に必要な掘削機や資材などを、現地に運び込みます。大規模なさく井工事では、掘削機を固定するためのやぐらを組み立てる必要があります。

STEP 3:掘削

いよいよ事前に調査した帯水層まで、地面を掘り下げていきます。代表的な掘削方法としては、ロータリー工法、パーカション工法、エアハンマー工法があります。

特に掘り始めは周囲の地面が崩れやすいので、保護管と呼ばれる円形のパーツで土留めをすることもあります。掘削しただけの状態の穴のことを「裸抗(らこう)」といいます。

STEP 4:電気検層

裸坑に電気を流し、1メートルごとに電気抵抗を調べます。電気抵抗が一番大きい場所が、帯水層となります。

さく井工事では、周囲の地層から水を取り込む細かい穴の開いたストレーナーパイプを、裸坑に埋め込みます。そのストレーナーパイプの位置を正確に決めるために必要な工程です。

STEP 5:ケーシング挿入

ケーシングとは、井戸の壁が崩れないように挿入するパイプのこと。STEP 4で調べた帯水層に合わせて、ストレーナーパイプとケーシングパイプを埋め込みます。

ただしエアハンマー工法の場合は、掘削しながらケーシング挿入を行うので、この流れとは少々手順が変わってきます。

STEP 6:砂利充填

さく井工事で掘削する穴のサイズは、ケーシングパイプやストレーナーパイプをスムーズに埋め込めるよう、大きめになっています。パイプの直径が150ミリメートルだとすると、掘削する穴の直径は300ミリメートル以上です。

そのため、ケーシングパイプの周囲に砂利を詰めて、パイプが動いたりずれたりしないよう固定します。場合によっては砂利ではなく、コンクリートを充填することもあります。

STEP 7:井内洗浄

掘削してケーシングパイプを埋め込んだだけでは、井戸の中に土砂や汚れが残ってしまいます。そこで、井戸の内部を洗浄して、井戸水のにごりを取り除きます。

エアハンマー工法の場合は、穴の中に高圧空気を送り込んで掘削しているため、井戸内に土砂や汚れが入りこむことはありません。そのため、井内洗浄の必要はなくなります。

STEP 8:揚水試験

井戸がひととおり完成したところで、どのくらいの水が取れるのか、帯水層の状態はどうなのかといった検査をします。予定した水量がとれない場合には、さく井工事がやり直しになることもあります。

井戸の用途によっては、水質検査も行います。揚水試験中に井戸水を採取し、専門の検査機関に送って水質検査をしてもらいます。

STEP 9:ポンプ設置

揚水ポンプやバルブなどを保護するため、箱状になった「井戸ビット」を作成し、ポンプを設置します。配管などが必要な場合は、給水設備業者と協力して作業を行います。これで井戸が完成となります。

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